
CONTENTS
収納力が抜群!使いやすいキッチンの選び方
1. 【はじめに】収納力のあるキッチンが家事をラクにする!
日々の家事の中でも、特に時間と労力がかかるのが「キッチンでの作業」ではないでしょうか。
特にリフォームを検討中の 50代から60代の女性にとって、これまでの経験で培った料理の腕前はもちろんのこと、これからの生活を見据えた「使いやすいキッチンづくり」は非常に重要なテーマです。
もし現在のキッチンで、収納スペースが足りない、物の出し入れが面倒 と感じているなら、キッチンの見直しやリフォームを検討する絶好のタイミングかもしれません。
収納力がしっかり確保され、なおかつ使いやすいキッチンは、毎日の料理のストレスを減らし、暮らし全体をより快適にしてくれます。
「使いやすいキッチン」とは?
“使いやすさ”は、単に最新の設備がそろっていることだけを意味するのではありません。
調理器具・食材・食器などを整理整頓し、必要なときにすぐ取り出せる機能的なレイアウトこそが、「使い勝手の良さ」の鍵となります。
特に50代・60代の方にとっては、無理な体勢での作業を避けたいもの。
例えば、かがまずに取り出せる・背伸びをしなくても届く・少ない動作で済む、といったポイントは、身体に負担をかけずに作業できる設計としてとても重要です。
新たな人生ステージにふさわしいキッチンへ
人生の次のステージを迎えるにあたり、キッチンをより機能的で快適な空間に刷新することは、日々の暮らしの質を高める有効な手段です。
本稿では、特に50代から60代の女性にとって、「収納力が高く、毎日使いやすい」と感じられるキッチンを選ぶための具体的なポイントをご紹介していきます。
2. 【チェックポイント】収納力の高いキッチンの特徴とは?
キッチンの快適さを大きく左右するのが「収納力」。ここでは、収納力の高いキッチンを選ぶために押さえておきたいポイントを、「収納スペースの種類と配置」「取り出しやすさ」「デッドスペース活用」の3つの観点からご紹介します。
① 収納スペースの広さと配置をチェック
収納力のあるキッチンを選ぶ際、まず注目したいのが収納スペースの「広さ」と「配置」です。代表的な収納として以下の3つがあります。
● ベースキャビネット(シンク下・コンロ下)
収納の主力となるベースキャビネットには、「引き出し式」と「開き戸式」があります。最近では、引き出し式が主流です。
・奥の物まで一目で見渡せる
・出し入れしやすく、収納効率が高い
・鍋やフライパン、調味料を立てて収納できる仕切り付きタイプが便利
・デッドスペースが少なく、スペースを最大限に活用可能
● ウォールキャビネット(上部収納)
キッチン上部の空間を有効活用できるのがウォールキャビネットです。
・高さのバリエーションが豊富で、自分の身長に合わせて選べる
・昇降式(手動・電動)機能付きなら、手が届きにくい場所でも楽に使える
・扉の開閉方式(開き戸・引き違い戸・跳ね上げ式)も動線に合わせて選べる
● トールパントリーキャビネット
背の高い収納で、食材のストックや使用頻度の低い家電・調理器具をまとめて収納できます。
・キッチンのカウンターをすっきり保ちたい人におすすめ
・棚の高さを調節できるタイプなら、収納物に合わせて効率よく使える
☑ Point
収納の「量」だけでなく、「何をどこにどれだけ収納したいか」を明確にすることで、リフォーム計画の精度がぐっと高まります。
② 取り出しやすさ&使いやすさの工夫
収納力に加えて、「取り出しやすさ」と「使いやすさ」もキッチン選びには欠かせません。特にリフォームを検討中の50〜60代の方にとっては、体に負担をかけない工夫がポイントです。
● 人間工学に基づいた設計を選ぶ
・フルエクステンション(全開式)の引き出しなら、奥の物も楽に取り出せる
・棚の高さを細かく調節できると、無駄なスペースが出にくい
・ソフトクローズ機能付きの扉・引き出しなら、静音性と安全性を両立
● ワークトップの高さに注目
・低すぎると腰に負担、高すぎると作業しにくい
・身長に合った高さを選ぶことが、長時間の作業を快適にする鍵
● ゴールデンゾーンに収納
・よく使うものは「腰〜目の高さ」に配置
・無理のない動作で取り出せる位置に収納することで、作業効率が格段にアップ
● 「8割収納」を意識する
・詰め込みすぎず、少し余裕をもたせることで出し入れがスムーズに
・どこに何があるか把握しやすく、見た目も整う
③ デッドスペースを活かす設計
見落とされがちな空きスペースの活用も、収納力アップには欠かせません。
● コーナー部分を活かす
・L字型やU字型キッチンにできる奥のコーナーには、回転棚、スライドユニット、専用のコーナー引き出しなどを活用
● シンク下の工夫
・配管でスペースが制限されやすいが、 段差付きラックや伸縮式収納棚で無駄なく活用
● 縦の空間も有効に
・スパイスラックやトレーディバイダーを設置して、縦方向に整理する
● 壁面・扉裏も収納に
・吊り戸棚下や冷蔵庫上には吊り下げラック・マグネットホルダー
・キャビネット扉裏にはドアハンガーで、小物の収納スペースを確保する
3. 【レイアウト別】使いやすいキッチン収納アイデア
キッチンの使いやすさは、レイアウトに応じた収納の工夫で大きく変わります。ここでは、代表的な3つのキッチンレイアウト(I型・L型・アイランド型)に合わせた収納アイデアと、さらに収納力を高めるカスタマイズ術をご紹介します。
① I型キッチンの収納アイデア
I型キッチンは、シンク・調理台・コンロが一列に並んだシンプルなレイアウトです。特に壁付けタイプでは、ベースキャビネットとウォールキャビネットが主な収納スペースとなります。
・縦の空間を有効活用
棚板を追加したり、突っ張り棒を使ったりして収納を増やす工夫が有効です。
・背面収納の活用
キッチン背面にカップボードや家電収納カウンターを設置することで、収納量を大幅にアップできます。
② L型キッチンの収納アイデア
L型キッチンは、シンクとコンロがL字に配置され、作業スペースが広く取れるレイアウトです。
・コーナー収納を工夫
スライド式ユニットや専用のコーナー引き出しで、奥まで有効に使える収納が可能に。
・長辺の壁面活用
ウォールキャビネットやオープンシェルフを設置して、使いやすい高さに収納スペースを確保。
・対面部分を活かす
ハイカウンターを設けることで、手元を隠しつつ、収納スペースもプラスできます。
③ アイランドキッチンの収納アイデア
アイランドキッチンは、カウンターが壁から離れて独立した開放的なレイアウトです。
・アイランド下の収納
引き出しや開き戸式キャビネットを設け、大容量の収納スペースとして活用。
・背面の活用
レンジボードやキャスター付きワゴンを配置して、機能的な収納スペースに。
・“見せる収納”でおしゃれに
調理器具や食器をあえてディスプレイ感覚で並べると、インテリアのアクセントになります。
※アイランドキッチンは常に整理整頓が求められるため、収納計画は綿密に行いましょう。
④ 収納を増やすカスタマイズ術
システムキッチンは、設置後でもカスタマイズを加えることで収納力を高めることが可能です。
● キャビネットの拡張
・追加の棚板の取り付け
・スライド式棚への変更で、奥の物も取り出しやすく
● 独立収納の導入
・キャスター付きワゴン、壁掛け棚、独立型キャビネットなどを追加し、収納力アップ
● 引き出し内の整理
・ディバイダーやオーガナイザーを使えば、カトラリー・調味料・小物もすっきり整理できます
● パントリーの設置・改装
・キッチン近くにスペースがあれば、パントリーを新設または改装するのも収納力向上の有効な手段です
● セミオーダー・モジュール式収納
・最近では、ライフスタイルや収納物に合わせたオーダーメイド収納も人気。必要なものにぴったりの収納を自由に設計できます
4. 【アイテム紹介】収納力をアップする便利グッズ&設備
キッチン収納をより効率的で快適にするためには、便利な収納グッズや設備の活用が欠かせません。ここでは、使いやすさと収納力を同時に向上させてくれる、おすすめのアイテムを目的別にご紹介します。
① 引き出し内を整理するオーガナイザー
引き出しの中は、ごちゃつきやすい場所の代表格。仕切りや専用ケースを活用することで、見た目も使い勝手も大きく改善されます。
・カトラリーケース
・キッチンツールスタンド
・スパイスラック(引き出し用)
これらを組み合わせることで、必要なものをすぐに取り出せる整った引き出しが実現します。
② 調理器具・食器を効率的に収納するアイテム
重ねがちな調理器具や食器類も、立てて収納することで出し入れしやすくなり、スペースも有効活用できます。
・鍋・フライパンオーガナイザー
・蓋ホルダー
・ディッシュラック
これらを使えば、調理中の動作がスムーズになり、収納スペースもすっきり保てます。
③ 食品収納に役立つ保存容器
食品類の収納には、重ねて収納できる保存容器や密閉容器が便利です。
・スタッキング可能な容器
・透明で中身が見える保存容器
・高い密閉性で乾物・調味料の保存にも◎
見た目も揃い、在庫管理もしやすくなるため、整理整頓された冷蔵庫や棚を保ちたい方に最適です。
④ 省スペースを叶える便利グッズ
スペースに限りがあるキッチンでは、ちょっとした空間を有効活用するグッズが活躍します。
・折りたたみ式食器ラック
・シンク上オーガナイザー
・マグネット式ナイフストリップ
使わないときは折りたためたり、デッドスペースを活かせる点が魅力です。
⑤ システムキッチンに組み込む専用収納設備
見た目も美しく、一体感のあるキッチンを実現したい方には、設備として組み込める収納アイテムがおすすめです。
・プルアウト式ゴミ箱(引き出しタイプ)
・内蔵スパイスラック
・アプライアンスガレージ(小型家電収納)
省スペースと美観を両立しながら、高機能な収納スペースが手に入ります。
⑥ 壁面を活用するウォール収納
キッチンの壁面は、収納の“隠れ資源”です。道具を吊り下げるスタイルは、取り出しやすく、見た目もおしゃれに。
・ペグボード
・スリットウォールシステム
・マグネットバー
よく使う調理器具やツールを壁面に収納すれば、作業効率もアップします。
⑦ 整理整頓をサポートするアイデアグッズ
収納したものを見つけやすく・管理しやすくする工夫も大切です。
・ラベルシール(中身や使用期限を記載)
・棚下バスケットやフック:キャビネット内の縦スペースを有効活用
少しの工夫で、「何がどこにあるか」が一目でわかる、快適で効率的なキッチン収納が完成します。
アイテム名 | 説明/用途 | 収納における利点 |
---|---|---|
引き出し用オーガナイザー | カトラリー、調理器具、スパイスなどを整理 | 引き出し内を区切り、物を探しやすく、取り出しやすくする |
食器ラック | 食器を立てて収納 | 重ねて収納するよりも省スペースで、出し入れが容易になる |
鍋・フライパンオーガナイザー | 鍋やフライパン、蓋などを立てて収納 | 重ねて収納するよりも傷つきにくく、必要なものをすぐに取り出せる |
保存容器 | 食材や調味料、乾物などを保存 | スタッキング可能で、中身が見やすく、食品の鮮度を保つ |
省スペース型水切りラック | 折りたたみ式やシンク上設置型など | 限られたスペースでも食器の水切りが可能 |
マグネット式ツールホルダー | 包丁やキッチンツールを壁面に磁力で固定 | カウンタートップのスペースを有効活用し、安全に収納できる |
ラベル | 収納容器や引き出しの中身を表示 | 何がどこにあるのか一目でわかり、整理整頓を維持しやすい |
キャビネット用吊り下げバスケット/フック | キャビネット内の棚板下の空間を有効活用 | 小物を収納したり、カップなどを吊り下げたりできる |
プルアウト式ゴミ箱 | システムキッチンに内蔵されたゴミ箱 | ゴミ箱を隠してキッチンをすっきりと見せ、臭いも抑える |
スパイスラック(内蔵型/壁掛け型) | スパイスボトルを整理して収納 | 調理中にスパイスをすぐに取り出せる |
アプライアンスガレージ | トースターやコーヒーメーカーなどの家電を一時的に隠せる収納スペース | 使わない時は扉を閉めてキッチンをすっきりと見せられる |
ウォールマウント収納システム(ペグボード) | フックや棚板を自由に配置できる壁面収納 | 調理器具や小物を自分好みにレイアウトして収納できる |
5. 【まとめ】失敗しないキッチン収納のポイント
収納力があり、かつ使いやすいキッチンを実現するには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。単に「たくさん収納できる」だけではなく、暮らしに合った収納設計が大切です。
① ライフスタイルに合った収納計画を立てる
まずは、自分の家族構成やライフスタイル、所有しているキッチングッズの量を正確に把握することが出発点です。
そのうえで、必要な収納の「量」と「種類」を洗い出し、使い勝手を考慮した配置を計画しましょう。
② 収納の配置と“取り出しやすさ”がカギ
収納スペースの広さだけでなく、取り出しやすい位置にあるかどうかも重要です。
特に50代・60代の方にとっては、無理な姿勢を避け、体に負担をかけないキッチン設計がポイントになります。
・引き出し式キャビネットで奥まで見やすく取り出しやすく
・昇降式ウォールキャビネットの導入で高所収納もスムーズに
・人間工学(エルゴノミクス)に基づいた設計を取り入れることで、「動きやすさ」が格段に向上します
③ レイアウト別の収納アイデアを取り入れる
キッチンのレイアウトによって、適した収納方法は異なります。
・I型キッチン:壁面収納や背面カップボードを活用
・L型キッチン:コーナー収納と広い作業スペースの有効活用
・アイランドキッチン:アイランド下部の大容量収納+見せる収納の工夫
それぞれのレイアウトの特性を活かし、効率的で美しい収納プランを立てましょう。
④ 便利グッズや設備を上手に取り入れる
限られた空間でも収納力を高めるために、収納アイテムや設備を活用するのも効果的です。
・引き出し用オーガナイザー
・食器ラック、鍋・蓋ホルダー
・折りたたみ式水切りラック、棚下バスケット など
これらのアイテムを取り入れることで、キッチン全体がより機能的に、見た目もスッキリ整います。
⑤ リフォーム前に「断捨離」も忘れずに
最も大切なステップのひとつが、リフォーム前の断捨離です。本当に必要なものだけを見極めて残し、不要なものは思い切って手放すことで、収納の無駄がなくなり、管理しやすく快適なキッチンが実現します。
◆ 理想のキッチンは、“選ぶ前の準備”で決まる
これらのポイントを意識してキッチンの収納を考えることで、「片付く」「使いやすい」「家事がラクになる」キッチン空間が手に入ります。収納力が抜群で、ストレスなく使えるキッチンは、これからの暮らしをより豊かに、より快適にしてくれるでしょう。
ぜひ、ご自身の理想のキッチンを実現するための参考にしてください。